アンガーマネジメント
人間の煩悩は百八つあるというけれど、そのなかでも「欲望」、「怒り」、「愚痴」の三つは卑しい心、人間を苦しめる煩悩の最たるものだと言われています。
心に絡みついて離れず、払おうとしてとしてもなかなか拭い去ることができないのが煩悩です。
しかし、生きる上でこの三毒を全く無くすことは難しいです。

なぜなら、人間が生きていく上で必要だから与えられているのです。「怒り」や不安、「恐怖」は下等動物にもある本能で最も重要なものです。
例えば、命を脅かされる危機に直面したとき、戦うか逃げるか瞬時に判断し行動しなければならない。攻撃してくる相手から自分を守るために「怒り」が発生する。
すると、アドレナリンやノルアドレナリンが大量に分泌され、ブドウ糖や酸素を全身に送ろうとして、脈拍を速くして血流を増やし、「火事場の馬力」が出る。
だが、特に「怒り」は厄介な感情だ。
頭に血が上ってしまい怒りのあまり我を忘れて、仕事や家庭、人生まで失いかねない。
では、どうすればいいのか、
過剰にならないようにバランスを保つことである。
そのためにノートと鉛筆を使う。
毎日、欲しくない感情、「怒り」が起きたら
(1)現象や状況、起きたこと(出来事)
(2)起きたことへの意味づけと心の変化(感情)を書く
起きたことと意味づけ、感情を区別するために、
心の大きな変化があった将にその時、記入すると効果的だ。
(3)次に起きたことに対して、
別の見方はできないか、観点を変えて気づいたことを書く。
自己正当化(儲け)のために、
或いは他人を支配する(儲け)ために怒っているとき、
胸が苦しなって声が出なくなったことがある。
だから、「怒る」ということは、
知らず知らずのうちに自分の身体を傷つけてしまっている。
また、「儲け」の代償にイキイキとした人生を送ることができないという「ツケ」を払っている。
ところで、「怒る」を観察していると、
「怒る」ことが本来の目的ではないことに気がつく。
本当に望んでいることは「私の気持ちをわかって欲しい」(自己重要感)、
「私を愛して欲しい」(愛と繋がり)、
「もっとちゃんと効果的に私の力になって欲しい」(自己重要感)などだ。
(1)と(2)の意味づけと感情を区別し(3)ができたら
(4)本当に欲しいもの、例えば、シックス・ヒューマンニーズから今、自分が望んでいること、自分の心の声を聞いてみる。
また、相手が怒るとまでいかなくても
突っかかってきたりすると、怒りは願い(ニーズ)の裏返しだということがわかる。
この本当に欲しいものを手に入れ、目的が達成できればいいわけで、
自分や相手を傷つける可能性のある「怒る」より効果的な方法を見つけたら、しめたもんだ。
まずは全ての感情をコントロールするためにノートを書く。
誰かと喧嘩して激高する直前にノート、ノートとノートを探しはじめたら大したものだ。
その様子を見て、眼を丸くした相手の顔が浮かび笑える。