リラックスの科学 -1/fゆらぎ
リラックスしたいと思うと海や山に足が向いてしまう。
自然の中にいると何故、リラックスするのだろうか。
建設工事の騒音を不快に感じ、渓谷のせせらぎや鳥のさえずり(聴覚)木漏れ日(視覚)とそよ風(触覚)を快適に感じるように、どんな人にも当てはまる、リラックスする必要条件が存在している。
この基本原則の1つが「1/f※¹ゆらぎ」(エフぶんのいちゆらぎ)である。※fはfrequency=周波数、1/fのゆらぎとは、振幅の異なる波の組み合わせと
考えられ、周波数の大きさと※²パワー・スペクトルの間に逆比例が見られるゆらぎでデタラメと単調の間でほどよい変化を示している。
海のさざ波、ろうそくの炎のゆれ、軒先の雨音(聴覚)、そして木目、木漏(視覚)なども1/fゆらぐぎを現わしている。
では、何故、1/fゆらぎでリラックスできるのか。
それは、人間自体が1/fゆらぎの生体リズムを持っているからだ。心臓の鼓動、心拍周期も長い時間で見ると1/fゆらぎを示すと言われている。
自然界においては、植物の細胞の配列や宇宙空間から降り注ぐ宇宙線つまり高速の荷電粒子の量も1/fゆらぎを示す現象の一つである。
また、神経細胞が刺激を伝えるときに発する電気パルスもこのリズムで揺らいでいる。
きっと、自分のからだ(生体のリズム)の1/fゆらぎと自然界のそれが シンクロ( synchronize/同期する)し、振動幅を増して(共鳴)、人は快適さを感じ”大自然のゆりかご”に乗ったようにリラックスするのかも知れない。
※¹ゆらぎとは、ものの予測のできない空間的、時間的変化や動き
※²パワースペクトルとは、時間信号 x(t)のパワーを、FFT分析することによりある周波数バンド幅(すなわち周波数分解能 Δ f )毎のパワーをもとめ、横軸を周波数としてグラフ化しているものです。